趣味や芸術に関わる資格は、専門的なスキルを身に付けている証明になるため、日常生活以外にも専門分野での仕事に活かせる可能性があります。
盆栽士資格も、趣味として嗜まれる盆栽について応用的な知識を身に付け、盆栽のエキスパートとして活躍できる資格の1つです。
本記事では盆栽士資格について、身に付いたスキルを活かせる職業や資格試験の概要などをまとめました。
盆栽の歴史や使用する樹種に理解があり、剪定作業や管理方法など制作面も含めた盆栽の体系的な知識を証明するのが、盆栽士資格です。
デザイン系のスキルが仕事で活用できるレベルであると証明する資格を取り扱う、日本デザインプランナー協会(JDP)が発行しています。
資格取得後は、履歴書への記載や面接時のアピールポイントとして提示して、盆栽のエキスパートである盆栽職人としての実力があると明らかにできます。
盆栽士資格の取得から盆栽職人として働き始める場合、最初のうちは販売や講師活動が中心になりますが、将来的には自作の盆栽を販売・展示する可能性も出てきます。
資格取得後に知識やスキルを活かせる職業を紹介します。
盆栽を作る時のベースとなる盆栽基盤の販売では、樹種ごとの管理方法に関する知識やスキルが活かせます。
樹種が綺麗な形に成長するには温度管理や病気への対策が必要であり、素人では難しい管理や手入れをしながら商品としての基盤を育てていきます。
盆栽の作り方を教える盆栽教室では、剪定や水やりなどの手入れの仕方に関する知識やスキルが活かせます。
カルチャーセンターなどで開講される教室を勤務地として、趣味で盆栽を始めたい人や本格的に盆栽をやりたい人など、需要に合わせた指導を行っていきます。
自作の盆栽を商品として販売したり、展示会へ作品として展示したりする場合も、盆栽の基礎的なスキルが活かせる機会があります。
盆栽作りは制作者によって切り方や表現方法は変わってきますが、完成品の盆栽でも基盤になるまでの管理や形を整えた後の手入れなどのスキルは必要です。
完成品は、店舗やネットで販売する他、インテリア目的で依頼を受けてから注文内容の雰囲気に合う盆栽を作っていく販売方法もあります。
盆栽資格は、日本デザインプランナー協会(JDP)が行う資格試験に合格すると取得できます。
資格試験は2ヶ月に1回に開催され、学歴等の受験の条件がないため、基本的には誰でも受けられる試験です。
公式サイトでは試験で問われる内容や試験月ごとの日程が掲載されており、名前や住所などの項目を入力すれば簡単に申し込みが完了します。
1年のうちで受験できる機会は多いので、学習がしっかりできたタイミングで申し込んでも十分間に合うでしょう。
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
一方で、協会の資格試験以外にも試験の合格扱いで盆栽士資格を発行する方法があります。
それは日本デザインプランナー協会が認定する通信講座の「諒設計アーキテクトラーニング」と「SARAスクールジャパン」で利用できる卒業課題です。
卒業課題は盆栽資格に関連する2つの協会が監修した課題であり、受講期間中に提出が完了した時点で、試験は免除され2種類の資格を同時取得できます。
なお盆栽士資格に対応した講座では、盆栽士資格と苔玉士資格の同時取得が可能です。
卒業課題が利用できる通信講座は、資格試験向けの教材についても協会から認定を受けているので、単体の資格取得を目指す人にもおすすめです。
通信講座内で受講できる講座の概要について紹介します。
諒設計アーキテクトラーニングでは、「盆栽士W資格取得講座」が盆栽士資格に対応した内容になります。
以下は資格試験向けの基本講座の概要です。
対象となる資格 | 苔玉士盆栽士 |
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
教材としては教科書や練習問題、模擬試験が用意されていて、知識が身に付いているか確かめるための添削課題を提出していきます。
添削課題は専門スタッフによるコメントが付けられて返送されるので、間違った箇所もわかりやすく学習できます。
以下は資格試験の合格扱いにできるスペシャル講座の概要です。
対象となる資格 | 苔玉士盆栽士 |
受講料 | 79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回 |
教材部分は基本講座と変わらず、添削課題が終わり次第、卒業課題の提出に移れます。
受講期間は最長6ヶ月、最短2ヶ月になりますが、受講期間内であれば提出時の添削やサポート体制はいつでも利用できます。
仕事や家事が忙しければ別日にまとめて学習するなど、状況に合わせて学習時間を調整すると良いでしょう。
SARAスクールジャパンでは「盆栽・苔玉資格取得講座」が盆栽士資格に対応した内容になります。
以下は資格試験向けの基本コースの概要です。
対象となる資格 | 苔玉士盆栽士 |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
教材は協会と盆栽職人の監修を受けた内容なので、盆栽の知識がない状態から学習を始めても十分な知識が身に付きます。
以下は資格試験の合格扱いにできるプラチナコースの概要です。
対象となる資格 | 苔玉士盆栽士 |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回 |
基本コースと共通した教材を使いながら、受講期間の最後に卒業課題の解答を提出します。
資格試験を免除できる課題ですが、問題の難易度が高いわけではなく、4回の添削課題の提出と復習をしていれば答えられる内容です。
卒業課題は受講期間内の提出であれば必ず資格を同時取得できるので、焦らず解答しましょう。
協会認定の卒業課題から同時取得できる苔玉士資格は、日本インストラクター技術協会(JIA)が発行している資格です。
JIA資格は、特定分野のスキルに関して指導できるだけの実力を証明できる資格で、盆栽の種類ごとの知識や剪定作業などの技術を教えられる能力があると明らかにできます。
盆栽士資格と共に保有すれば、盆栽の知識や技術が2つの資格発行協会から認められるレベルであると示せるようになり、盆栽教室などの講師活動では指導力を証明する材料になります。
盆栽士資格は盆栽の体系的な知識について理解があると認められる資格で、取得後は盆栽職人として基盤の販売や講師活動でスキルを活かせます。
また、盆栽職人の実力が認められていくと、自作の盆栽の販売や展示をする盆栽作家として活躍する可能性もあります。
盆栽士資格の取得を検討したい人は、資格取得方法である試験や通信講座で情報を集めながら、盆栽職人になるための準備を進めてみてください。