現代がストレス社会と呼ばれる中で、心・感情に関わる病気や問題が発生しやすくなっており、それらに対応できるメンタルケアのプロは必要とされています。
アンガーカウンセラーは、メンタルケアの中でも怒りの感情に焦点を当てており、会社や家庭内で起こる問題について改善を促せるプロとして活躍しています。
本記事では、アンガーカウンセラーについて、仕事における資格の必要性や専門知識を身に付けるための学習方法、活動における勤務場所などをまとめました。
アンガーカウンセラーとは、怒りの感情に対して心理学の視点から個人で制御できるようにアドバイスできるプロです。
怒りを制御する方法は、アンガーコントロール・アンガーマネジメントと呼ばれており、様々な考え方やトレーニング方法が提唱されています。
近年では大きな問題として取り上げられる会社内でのパワハラや家庭内暴力について、アンガーコントロールを適用して改善を図ろうとする病院やクリニックが増えています。
人材教育や子育てでは怒らなければならない場面が出てきますが、問題に発展するのは必要以上に怒ってしまう人や、暴力や暴言でしか怒りを表現できない人です。
怒りの制御ができない人は、育ってきた環境やストレスなどの心理的要因、これまでの人生で怒り慣れていないなど様々な原因が想定できます。
アンガーカウンセラーはそのような怒りの感情について悩みや失敗に寄り添って、原因の究明や個人に合わせた怒りの制御方法、普段の怒りとの向き合い方を教えていきます。
怒りを制御できない原因は千差万別であり、中途半端なアンガーコントロール知識では相談者全員に対応するのは難しいと言えます。
また、相談者側も正しい知識や技術を持っているか不確かであると、診療先としては選びづらくなります。
そのため、アンガーカウンセラーとして活動する場合は、職場での資格の所持を求められていなくても、知識や技術を証明するために資格取得しておいた方が良いのです。
アンガーカウンセラー資格の取得に必要な知識や技術の学習方法は、専門学校・大学、カルチャースクール、通信講座などが候補になります。
専門学校・大学は、心理学系の学校に入学して1年以上の期間をかけて知識を身に付けていきます。
近年では夜間授業など働きながらでも勉強できる環境が用意されていますが、アンガーコントロールだけを勉強できないのが難点です。
カルチャースクールは、実生活で活用できるアンガーコントロールについて教えて貰える場所になります。
ただし、簡易的な範囲でしか知識や技術を勉強できないので、資格試験に必要な専門性の高い部分は他で勉強する必要が出てきます。
通信講座は、アンガーカウンセラー資格を取得するための講座が用意されており、専門性の高い部分も含めて勉強できる教材です。
多くの講座で時間と場所に限らず勉強できる形式になっているので、働きながらでも勉強しやすい学習方法になります。
資格取得のための学習方法としては、全体的な使いやすさがある通信講座がおすすめです。
アンガーカウンセラーは相談者へのメンタルケアやアドバイスが活動の中心となっていて、様々な勤務場所への就職が想定できます。
アンガーカウンセラーの就職先や仕事内容などを紹介します。
メンタルケアを行うクリニックや診療所は、アンガーカウンセラーが看護師として活躍できる勤務場所です。
アンガーコントロールが必要な患者に対して、適切な治療やアドバイスができます。
また、他のメンタルケア系の知識を身に付けていれば、個人でクリニックを開業する道も開けるでしょう。
年収は500万円前後が基準です。
近年では会社の内部に仕事や人間関係の悩み相談できる産業カウンセラーを設置するところがあり、そこでもアンガーカウンセラーは活躍できます。
上司として部下と接する際の怒り方や、仕事で発生したストレスから生じる怒りについて、職場の雰囲気や社風に合わせたアドバイスをしていきます。
年収は着任する会社の規模によって変わり、中小企業なら200万円から400万円、大企業なら500万円以上が基準です。
アンガーコントロールについて教えるカルチャースクールでは、講師活動を行えます。
治療や相談目的ではなく、セルフケアや簡易的な知識を身に付けたい人が集まってくるので、クリニックでアドバイスする時とは違った視点で教えていく必要があります。
年収は450万円前後が基準です。
アンガーカウンセラーとしての活動でやりがいになるのは、相談者の状況改善や受講者の関心が高まっていく様子を見られるところです。
カウンセラーや講師として、相談者や受講者と向き合う場面が多く、そこで表情や話し方の変化を直接的に感じられます。
そうして、アンガーコントロールができるようになった人達を見られると、自分の知識や活動が人の役に立ったと誇らしく思えます。
一方で、アンガーカウンセラーの活動を続ける中で気を付けたいのは、自分自身のメンタルケアです。
カウンセラーとしては相談者の悩みや感情を見ていくと、プロであっても少なからず影響を受けて、自身の心労やストレスに繋がってしまう場面も出てきます。
そのような状態に気付かないまま仕事を続けてしまうと、カウンセラー本人にカウンセリングが必要な状況になってしまい兼ねません。
相談者を気遣う気持ちは必要ですが、自分の心の状態も気にかけられるようになると、アンガーカウンセラーとしての活動を継続しやすくなるでしょう。
アンガーコントロールに関する資格は、資格協会を中心に発行されており、それぞれの資格で証明する知識や技術に違いがあります。
アンガーカウンセラー資格の中でも代表的な資格を紹介します。
アンガーコントロールスペシャリスト資格は、一般社団法人の日本能力開発推進協会(JADP)が発行している資格です。
JADPは、専門的な分野での実務能力向上を目標に、職業能力を有すると証明する資格を取り扱っています。
アンガーコントロールスペシャリスト資格では、人間関係の悪化や生産性の低下に繋がる怒りを制御できる知識が身に付いたと証明できます。
アンガーカウンセラー資格は、日本メディカル心理セラピー協会(JAMP)が発行している資格です。
JAMPは、医療やメンタルケアの分野に特化しており、知識やスキルが実践レベルであると証明できる資格を多数取り扱っています。
アンガーカウンセラー資格では、怒りの感情の性質や向き合うためのトレーニング方法、心にゆとりを生む考え方など、幅広い知識が身に付いていると証明できます。
アンガーコントロール士資格は、日本インストラクター技術協会(JIA)が発行している資格です。
JIAは、特定の知識や技術に対する指導力を証明できる資格を取り扱っています。
アンガーコントロール士資格では、怒りとストレスの関係から正しい怒り方や怒りをため込まない考え方など、アンガーコントロールの基礎についての指導力を証明できます。
アンガーカウンセラーの活動では資格が必ず求められるわけではありませんが、患者が安心して相談できるカウンセラーになるには、知識や技術を明らかにできる方が良いでしょう。
代表的なアンガーカウンセラー資格を1種類でも取得すれば、患者への提示以外にも就職時に確かな知識をアピールできるので、活動の中で大いに役立ちます。
代表的な資格の中でもアンガーカウンセラーになる際のおすすめ資格を紹介します。
クリニックの看護師や産業カウンセラーを目指す人には、「アンガーカウンセラー資格」がおすすめです。
アンガーコントロールによるメンタルケアの知識が身に付いていると示せる資格なので、実際にケアやアドバイスを行う現場で提示するのに適しています。
座学としての教え方も勉強できれば、講師活動をする際にも資格の知識が活用できます。
以下は協会が開催する資格試験の概要です。
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催(2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌月の20日 |
JAMPが開催する試験は1年に6回の受験機会があり、試験月の1ヶ月前に公式サイトから申し込めれば誰でも受験できます。
受験における教材や通信講座の指定はないので、好きな学習方法を選んだ上で、勉強が十分だと思った時に申し込むなど、日程調整しやすい試験です。
カルチャースクールの講師を目指す人には、「アンガーコントロール士資格」がおすすめです。
アンガーコントロールの知識や技術を指導できる実力を提示できる資格なので、勉強を目的とする受講者に教える講師に適した資格になります。
また、アンガーコントロールについての基礎も身に付いているので、メンタルケアやアドバイスを行う現場でも資格は十分活用できるでしょう。
以下は協会が開催する資格試験の概要です。
受験料 | 10,000円(税込) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催(2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌々月の10日 |
JIAの試験も年に6回の開催で、受験資格に学歴や勉強方法などの条件は設けられていません。
在宅受験は答案用紙に書き込んでから返送する形を取っているので、受験会場に行く必要はありませんが、提出時はポストへの投函が必須となっています。
答案提出期限までに協会側に到着しないと再受験になるので、日程は間違わないように注意しましょう。
取得をおすすめした2種類のアンガーカウンセラー資格には、それぞれ協会が試験対策の正式な教材として認めた認定通信講座があります。
認定通信講座では、2種類の資格について同時に勉強できる教材になっていて、特別な講座は、資格試験よりも容易に資格取得できるお得な講座です。
認定通信講座である「諒設計アーキテクトラーニング」と「SARAスクールジャパン」について紹介します。
諒設計アーキテクトラーニングでは「アンガーカウンセラーW資格取得講座」から2種類のアンガーカウンセラー資格の取得を目指せます。
基本講座の概要は以下の通りです。
対象となる資格 | アンガーカウンセラー アンガーコントロール士 |
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
6ヶ月の受講期間中に教科書や練習問題で勉強して、5回の添削課題を全て提出すると、受講が完了します。
講座内の教材は2種類のアンガーカウンセラー資格の両方で活用できる情報が掲載されており、問題は資格協会が出題した過去問を参考にしています。
スペシャル講座の概要は以下の通りです。
対象となる資格 | アンガーカウンセラー アンガーコントロール士 |
受講料 | 79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
受講期間や教材は基本講座と変わりませんが、提出課題として卒業課題1回分が追加されています。
卒業課題は最後に提出する課題で、提出が完了すると資格協会から知識を認められたものとして、資格試験を受験せずに2種類のアンガーカウンセラー資格が発行されます。
合格基準の設定はなく、課題の提出によって資格の発行を決定するので、確実な資格取得を目指す場合は、受験よりも卒業課題の利用がおすすめです。
また、2種類のアンガーカウンセラー資格を保有していると、専門的な知識や技術に対する勉強意欲や習得率の高さをアピールできます。
片方の資格だけ取得を考えていた人も、資金面に余裕がある場合はスペシャル講座の受講がおすすめです。
SARAスクールジャパンでは「アンガーカウンセラー資格取得講座」から2種類のアンガーカウンセラー資格の取得を目指せます。
基本コースの概要は以下の通りです。
対象となる資格 | アンガーカウンセラー アンガーコントロール士 |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
講座内の教材で勉強してから添削課題の提出をして、知識が定着しているか確認していく内容になっています。
また、受講期間内であれば、専門スタッフが無料で質問を受け付けているので、添削と質問で疑問を解消しながら勉強を進められます。
プラチナコースの概要は以下の通りです。
対象となる資格 | アンガーカウンセラー アンガーコントロール士 |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
基本コースの教材とカリキュラムはそのままで、卒業課題1回分が追加されたコースになります。
受講期間も卒業課題込みで変わっておらず、短期集中して勉強を行えば、最短2ヶ月で受講完了できる想定になっています。
資格試験は申し込みから実際の受験まで時間が空くので、スムーズに資格取得したい人には卒業課題付きのプラチナコースがおすすめです。
アンガーカウンセラーは、クリニックの看護師や会社内の産業カウンセラー、講師として活動しており、個人で怒りの感情を制御できるような治療や指導を行っています。
その活動の中では自分自身のメンタルケアについても気遣う必要はありますが、相談者や受講者がアンガーコントロールによって改善される様子を見られるのは大きなやりがいになるでしょう。
アンガーカウンセラーとして活動したい人は、相談者が安心して任せられるように、知識や技術を証明できるアンガーカウンセラー資格の取得が望ましいと言えます。
その中でも資格協会が認定した通信講座なら、2種類のアンガーカウンセラー資格の同時取得が目指せるので、おすすめの教材です。
教材やカリキュラムの資料は公式サイトから無料で請求できるので、サイト内の情報や資料を確認した上で、アンガーカウンセラー資格の取得を検討してみてください。