近年は、医療の発達や食生活の向上などにより、犬や猫の高齢化が進んでいます。
ペットが長生きするのは、飼い主にとって本当に嬉しいものです。
しかしその一方で、ペットにも介護が必要になり、介護方法に頭を悩ませる飼い主も多いのが現状です。
この記事では、犬や猫の介護について知識を身につけるとき、どのような資格を取得すればよいのか、また資格を取得した人がどのような職場で活躍しているかなどご紹介します。
犬や猫も高齢になると、いろいろと体の衰えが出てくるものです。
代表的なもので次のような症状が挙げられます。
・視力や聴力の低下
ペットの視力や聴力の低下がみられたときは、飼い主はペットの近くで話しかけるよう心がけます。
・夜鳴きや粗相、俳諧
認知機能の低下により、夜鳴き・徘徊・粗相などもみられ、その都度宥めたり掃除をしたりなどが必要となります。
・筋力の低下
筋力が低下すると自力で起き上がれなくなるため、床ずれをしないように定期的に体制を変える必要があります。
また、食事をペットの口まで持っていき食べさせたり、ペット用のおむつを替えたりします。
ペットの老化症状にもよりますが、中には24時間つきっきりで高齢のペットを介護が必要になるケースがあります。
その場合、飼い主は自分の生活を大きく変えなければいけません。
飼い主の事情により、どうしても高齢ペットの面倒を見られない場合、老犬・老猫ホームに預ける方法があります。
また、ペットホテルのサービスとして高齢のペットを預かり、お世話をしてくれる場合もあります。
犬や猫は人間のように言葉を話せないため、高齢の犬や猫を介護する際、意思疎通が難しく人間の介護より大変な場合があります。
犬猫介護に関する知識を習得すると、ペットが何に困っているのかわかるようになり、介護する際に役立つでしょう。
犬猫に関連する仕事に就く際、犬猫介護に関する資格の所持は、ペットの介護を理解していると証明できるため、即戦力として重宝されるはずです。
犬猫介護の資格を取得するための学習方法は、次の2つの方法があります。
1つめは動物系の専門学校などに通う方法です。
通学は、座学や実践をしながら動物介護を学べるのが大きなメリットです。
しかし、動物系の専門学校に通うには、ある程度まとまった時間・お金が必要になるため通う人を限定した方法になります。
2つめは動物介護に関する通信講座を受講し、知識を身につける方法です。
通信講座の中には、1日30分学習すれば資格を取得できるものがあります。
そのため、仕事や家事・育児で忙しい人でもすきま時間で勉強できるため、継続しやすいのが魅力です。
通信講座を選択する際には、質問・疑問に対してきめ細かく対応してくれる講座を選ぶとよいでしょう。
犬猫介護に関する資格を取得するため、豊富な知識を身につけた人は、実際どのような仕事に活用しているのでしょうか。
具体的な職業を見ていきましょう。
老犬・老猫ホームは、世話ができない飼い主の代わりにペットを預かり、介護をする施設です。
介護のサービス内容は施設によってさまざまで、短時間だけ預かるところもあれば、終生まで長期にわたって面倒をみる場所もあります。
犬猫介護の専門的な知識を身につけ資格を取得した人は、適切な介護ができて貴重な戦力になれるはずです。
年収は約200万~300万が平均的ですが、ボーナスの有無など条件によって変動があります。
ペットシッターは、飼い主の留守など事情がある時に自宅へ訪問し、犬や猫などのペットの面倒を代わりに見る仕事です。
中には、高齢の犬・猫の面倒を見るサービスをおこなうペットシッター業もあります。
犬猫介護に関する資格の取得は、詳しい知識の習得の証明になり、ペットシッターの仕事をするうえで有利なはずです。
高齢のペットに対して適切なケアをすれば、飼い主は安心し、信頼関係が結べるでしょう。
年収は、約250万前後が平均的ですが、雇用形態などでばらつきがあります。
ペットホテルは、飼い主に事情があってペットの面倒を見られないとき、ペットを預かり世話をする施設です。
場所によっては、高齢の犬や猫の面倒をみたり、中には要介護のペットにも対応していたりするホテルも増加傾向にあります。
動物の介護に特化した知識を持つスタッフは貴重な存在です。
高齢の犬・猫に対して、知識に基づいた正しいお世話ができるので重宝されます。
年収は、約300万円前後が平均ですが、置かれている立場やボーナスの有無によって差があります。
動物病院には、病気やけがなどで、体の具合が悪い犬・猫が多数来院します。
なかでも、高齢のペットは体調を崩しやすく、どうしても通院の頻度が多くなるものです。
高齢の犬や猫を治療する際、犬猫介護の知識は獣医師の手助けになるでしょう。
また、高齢の犬・猫を飼育する飼い主に介護の方法などアドバイスするのも大切な仕事です。
ペットの症状に応じた適切なアドバイスは、介護に悩んでいる飼い主から感謝されるはずです。
年収は、約300万円~350万円が平均的ですが、勤務地によって違いがあります。
高齢のペット、特に介護が必要な犬・猫のお世話は、心身ともに大変です。
大切な家族として一緒に過ごしてきたペットの飼い主なら、ペットのつらさを少しでもやわらげてあげたいと思うでしょう。
しかし、犬・猫は言葉を話せないため何をしてほしいのか理解できず、悩んでしまう飼い主は多くいます。
それに加えて、ペットの介護は休みが無いため、飼い主の疲労も溜まっていくでしょう。
犬猫の介護に関する知識を深めると、高齢の犬・猫が何を要求しているか理解できるほか、介護をスムーズに進められるでしょう。
高齢のペットや飼い主の苦しみを緩和し穏やかな表情を見られると、仕事にやりがいを感じるはずです。
動物が好きな人や、ペットの介護を通して社会貢献をしたい人は、動物介護に関する知識を活かしましょう。
身につけた動物介護のノウハウは必ず役に立ち、高齢のペットはもちろん、飼い主の負担を和らげるはずです。
犬や猫の介護を学ぶために取得する資格はいろいろあるため、一体どの資格を取得したらよいのか迷うのではないでしょうか。
どのような資格があるのか、代表的なものを見ていきましょう。
動物介護士資格は、老犬・老猫に関する基本の知識を中心に、介護や病気などについてケースごとの対処法を身にみにつけた証明です。
日本能力開発推進協会により発行されています。
愛玩動物介護士資格は、シニア期のペットに向き合い介護するための知識を有している証明です。
全日本動物専門教育協会が発行しています。
ペット介護インストラクター資格は、高齢犬や高齢猫の介護に関する基本的な知識を身につけたうえで、指導もできる能力を認定する資格です。ペット介護インストラクター資格とは?
日本インストラクター技術協会が発行しています。
犬猫介護アドバイザー資格は、高齢の犬や高齢の猫の介護に関する知識を豊富に身につけた証明をする資格です。犬猫介護アドバイザー資格とは?
衣食住に関する資格に特化した、日本生活環境支援協会が発行しています。
犬や猫の介護を学ぶためにおすすめの資格が2つあります。
1つ目は、日本インストラクター技術協会が発行している「ペット介護インストラクター資格」です。
2つ目は、「犬猫介護アドバイザー資格」で、日本生活環境支援協会が発行しています。
「ペット介護インストラクター資格」は、教える力を証明する資格が専門の、日本インストラクター技術協会が発行しています。
資格を取得するために、高齢犬や高齢猫の基本的な介護方法を中心に、ケース別にどのような対処が適切かを学習できます。
身につけた知識を他の人に指導できる証明ができるため、自宅やカルチャースクールで講師活動も可能です。
以下は、「ペット介護インストラクター資格」検定試験の内容です。
受験料 | 10,000円(消費税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
申込方法 | インターネットからの申し込み |
試験に関係する日程は下記の通りです。
資格検定試験 | 年6回開催(偶数月) |
申込期間 | 試験月の前月1ヵ月間 |
試験期間 | 試験月の20日~25日 |
答案提出期限 | 試験月の30日(2月は28日) |
合格発表 | 試験月の2ヵ月後の10日 |
検定試験は、年6回開催されており、自分の都合に合わせてスケジュールを組みやすいのが魅力です。
試験期間が近づくと、試験問題と解答用紙が自宅に送られてきます。
試験を受けた後は、提出期限までに返却用の封筒で解答用紙を送る仕組みです。
「犬猫介護アドバイザー資格」は、犬と猫の介護に関する知識を有している証明です。
衣食住に関する資格を専門とする、日本生活環境支援協会が発行しています。
犬や猫の介護の基本を徹底的に学び、犬の種類や大きさによる介護方法の違いや猫を種類別にわけ、介護するうえでの注意点なども身につけます。
以下は、「犬猫介護アドバイザー資格」の検定試験の内容です。
受験料 | 10,000円(消費税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
申込方法 | 公式サイトから申し込み |
検定試験に関連した日程は以下の通りです。
資格検定試験 | 年6回(偶数月)開催 |
申込期間 | 試験月の前月1ヵ月間 |
試験期間 | 試験月の20日~25日 |
答案提出期限 | 試験月の30日(2月は28日)必着 |
合格発表 | 試験月の2ヵ月後の10日 |
検定試験は、受験する前月にインターネットで気軽に申し込めます。
検定試験は在宅で受験できるので、試験会場まで出向く必要が無いところが大きなメリットです。
「犬猫介護アドバイザー資格」と「ペット介護インストラクター資格」を取得できる通信講座には、それぞれの協会によって認定されているものがあります。
認定講座は、諒(りょう)設計アーキテクトラーニングと、SARAスクールジャパンから出ています。
それぞれを詳しくご紹介します。
諒(りょう)設計アーキテクトラーニングでは、犬猫介護アドバイザーW資格取得講座のなかに、「犬猫介護アドバイザー資格」と、「ペット介護インストラクター資格」を取得するためのカリキュラムが含まれています。
基本講座の内容は、下記の通りです。
対象となる資格 | 犬猫介護アドバイザー ペット介護インストラクター |
受講料 | 59,800円 分割3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヵ月 (最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回 |
教材の内容は初心者にも優しいものになっており、犬猫介護の知識が全く無くても、安心して受講できます。
テキストには、以前検定試験で出題された過去問題が多く組み込まれているため、試験対策がしっかりできるはずです。
犬猫介護のプロ講師にサポートしてもらえ、回数無制限で質疑応答できるのが心強いポイントでしょう。
スペシャル講座の内容は、下記の通りです。
対象となる資格 | 犬猫介護アドバイザー ペット介護インストラクター |
受講料 | 79,800円 分割3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヵ月 (最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回+卒業課題1回 |
スペシャル講座の教材は基本講座と一緒ですが、卒業課題が付属しています。
卒業課題を提出した時点で試験免除となり、卒業と同時に対象の2資格が取得可能です。
検定試験を受験する必要がないため、早急に資格を取得したい人や2つの資格を取得したい人に適しています。
関連した資格を複数取得すると、犬猫介護に関する仕事をする際、犬猫介護の知識をより深く身につけている証明が可能です。
スペシャル講座を修了すれば、2つの資格を確実に取得できるので、効率的な学び方・時間の使い方と言えるでしょう。
SARAスクールジャパンが運営する犬猫介護資格取得講座は、「犬猫介護アドバイザー資格」と「ペット介護インストラクター資格」を取得するため、知識をしっかりと身につけられる講座です。
基本コースの詳細は以下の通りです。
対象となる資格 | 犬猫介護アドバイザー ペット介護インストラクター |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヵ月 (最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回 |
講座のテキストは、初心者でも安心して学習できるわかりやすい内容です。
カリキュラムは、1日わずか30分の学習でも、確実に6ヵ月で卒業できるように想定して組まれています。
そのため、仕事や家事・育児で忙しい人でも、すきま時間を利用して資格取得にむけて学習が可能です。
一方、早急に資格を取得したい人は、最短2ヵ月で課程を修了できます。
基本コースの場合は、課程を修了したあとで検定試験の申し込みが必要です。
次に、プラチナコースのご紹介です。
対象となる資格 | 犬猫介護アドバイザー ペット介護インストラクター |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヵ月 (最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回+卒業課題1回 |
プラチナコースは、基本コースの教材に卒業課題がプラスされたコースです。
卒業課題の提出によって試験免除となり、「犬猫介護アドバイザー資格」と「ペット介護インストラクター資格」を必ず取得できるのが魅力です。
2つの資格を取得するために検定試験を申し込む必要はありません。
犬猫介護資格の取得講座は、対象の2資格を発行するそれぞれの協会から認定されている通信講座なので、資格取得に向かって無駄なく計画的に学習を進めていけます。
犬や猫などのペットが要介護になったとき、飼い主の負担は想像よりも大変なものです。
飼い主が何の力も借りず、自分の力だけで面倒を見ようと思うのは、リスクの大きい行動といえます。
犬猫介護に関する知識を身につけておくと、自分のペットがなにを要求しているのかわかり適切に応えられるため、飼い主の負担が軽減します。
また、仕事をする際も丁寧に世話や介護を進められるので同僚にも信頼され、自分の気持ちにもゆとりができるでしょう。
犬猫介護に関する資格取得のためには、良質な通信講座を選択するプロセスが欠かせません。
通信講座でしっかり学習したあと試験に挑めば、犬猫介護のエキスパートとして身につけた知識が活きるはずです。
近年は犬や猫などのペットの寿命が伸びているといわれています。このことには、生活環境や食事が大きく改善されたことが関係しています。寿命が伸びているということは、ペットの介護に対する需要も増えているということです。ペットも生き物ですから、年を取れば人間と同じように体の自由がききにくくなります。そのような場合、適切な知識のもとで介護や世話をすることが大切です。動物の介護を適切におこないたいと思うなら、動物の介護に関わる資格を取得することをおすすめします。なぜなら、正しい知識がない中で介護をしようとしても、場合によっては動物に対して不必要な負担がかかってしまう恐れもないとはいえないからです。動物の介護に関わる資格があれば、自分自身のペットのために知識を活かすだけでなく、ペットに関わる仕事に就くのにも役立ちます。動物の介護に関わる資格としては、どのようなものがあるのでしょうか。今回は、動物の介護に関わる資格のうち、特に人気があるものを徹底比較して紹介します。