ニットとは、糸の素材ではなく技法を指す言葉で、毛糸で作られた制作物をニットと呼びます。全世界で楽しまれ、欧米では多くの男性もニットの趣味を持っています。表現出来ないものはないほど、1本の糸から作られる製品は、帽子やセーター、マフラーだけではありません。世界には、針も特別な道具も使わず、両手だけで毛布を作る達人も存在します。手軽なDIYとして、編み物はその代表的なものではないでしょうか。想像以上に奥深い編み物の世界を、より専門的に学ぶことで、個人技術が、そのまま自分の収入源に加えることも可能となります。
【編み物資格についての掲載情報】
編み物マイスター
クラフトの趣味の中では歴史は古く、現在は男女問わず、編み物を楽しむ人が増えています。道具もシンプルで、昔はリリアン式と呼ばれた、簡易な幼少用の編み物セットを楽しんだ方も多いのではないでしょうか。基本的な道具は棒針、かぎ針、アフガン針など色々ありますが、それに様々な太さと材質、カラーを組み合わせて、マフラーからセーター、手袋など、主に冬場に使う衣服やアクセサリー、あるいは椅子のクッションなども作ることが出来ます。
また道具がない場合でも、指針といった手を使った編み物で、幅広い毛布を作成することも可能です。また、近年では、100均ショップなどでも、ある程度の規模であれば、編み物で使う毛糸、道具類は格安で手に入り、誰でも楽しむことが可能となってきています。世界中で親しまれているこの編み物の世界を広く人々に教え、楽しさと技術を教えられるのが編み物マイスターです。資格所得後は、セミナー、個人教室から、講師に至るまで活躍の場がたくさんあります。
編み物マイスター資格取得のメリット
編み物は、今や女性だけではなく、「編み物男子」など、男性でも関心の高い趣味の一つとなってます。そのため、編み物教室などでは、休日や祝日には、若い男性も参加する機会が増えており、その分、男女交友の窓口にもなっているようです。道具が無くても可能な編み物もあり、また出来あがった作品を、様々なギャラリー、発表会で披露することも出来ます。編み物マイスターはそういった、編み物を通じたコミュニケーションを広め、編み物の楽しさを伝える役割として、かねてから人気のある資格として知られています。
編み物マイスター資格とは?
編み物マイスターの仕事について
編み物マイスターは、こうした編み物を製作する、様々な道具の使い方や種類、編み方、毛糸などの種類や選び方に関して、高い知識と技術、両方を兼ね備えて、他人に指導や教える事ができる専門家です。編み物全般の基礎知識と技術を使って、実演しながらの編み物教室など、活動は個人から団体でも広く及んでいることが多いです。編み物講師として、実技専門の立場として、日本全国、どこでも活動することが出来る、非常に人気のある資格といえます。
手編みニットデザイナー
機械編み以外の直接、網針などを使った技術を習得し、様々な技法、様々な作品を作れる編み物のすべてを網羅した技術者が、手編みニットマイスターです。簡単な模様編みから、複雑な編み方まで、誰でも習得できるアドバイスを適切に出来る、高いスキルが必要となります。地模様、透かし模様、海外ではよくある伝統模様から、編みこみ模様など、複雑で楽しい編み物の種類と技術を他人に指導し、一緒に享受できる技術をマスターしている必要があります。
棒針を使ったパターンは約300種類ほどあるので、編み物を使ったパッチワークなども、このインストラクターは習熟している必要があるでしょう。資格所得後は、編み物教室の他に、介護施設や、教育機関で、あるいはクラフト・スクールで講師として働くことが可能です。
手編みニットデザイナー資格とは?
手編みニットデザイナー資格取得のメリット
手編みには、棒針編み、かぎ針編み(レース編み)、アフガン編み、指編み、腕編み、ヘアピンレース編みなど、様々な種類があり、どれも使う道具は非常に安価で、指編み、腕編みのような、全く道具を必要としない編み方もあります。シンプルで簡単な道具を使う代わりに、編み方、その工程が非常に複雑なため、道具の使い方と編み方の技術が極めて重要になります。道具が安価なため、毛糸などの種類は膨大で、編み方によって様々なデザイン性を持たせられるのが、ニットの魅力です。素朴なエスニックのインテリアから、おしゃれ着、あるいは服飾小物まで、幅広く作ることが出来ます。手編みニットデザイナー資格取得のメリットは、普段、家庭で使える様々な実用品や装飾品まで、自分で毛糸などを使って作れる楽しさを、多くの人に指導できるので、手芸の講師として様々な場所で活躍することが出来ることです。
手編みニットデザイナーの仕事について
セーターなどは「手編み」といえば、昔からオーダーメイドで、市販品は高価なことで知られています。編み物の中では基本となる技術が手編みで、手編みニットデザイナーは、そうした手編み技術を他人に指導できる立場の資格となります。編み物教室の他に、近年では認知症予防に、介護の現場でも編み物講座は活用されるなど、手編みニットデザイナーの仕事は、その役割とともに、その幅が広がっています。公益財団法人日本手芸普及協会などでも、編み物セミナーは開催され、高齢者なら誰でも参加できる編み物セミナーなどでも、手編みニットデザイナーとして、多くの人にニットの楽しさを伝える事ができます。
かぎ針編み講師
最近では「ニット・カフェ」などの若い男性が通う、気軽なニット教室やセミナー、楽しみの場が用意されてきています。ウールの優しさ、編む人の心にも癒やしの効果があり、また趣味としても最適なものとして大変、古くから普及しているのがかぎ針編みです。かぎ針は様々なデザインのニットを制作する上では、自由度が高く、帽子やマフラーなど様々なファッションに活用できる製品を制作し、しかもその技術が高ければ、販売できるようなクオリティも目指すことが出来ます。
かぎ針編みは編み物の中でも、最も基本となる技術で、かぎ針の正しい持ち方、糸のかけ方、大小様々なエクステリアの装飾品を制作することも可能です。毛糸の種類は材質と色や太さなど、非常に多種多様な製品が販売され、今では誰もがプロにも負けない編み物を制作する環境が揃っています。
かぎ針編み講師は、そうした様々なニットの技術や種類などを通して、多くの人にかぎ針編みの幅広い世界を教えられる技術を有した有資格者です。編み物教室の中でも、最も基本的な技術を教えられる立場なので、その活躍の場は大変、数多くあります。
かぎ針編み講師資格取得のメリット
同じ編み物でも、非常に精度の高い高度な技術を必要とするのがかぎ針編みの特徴です。かぎ針の種類の違いで、仕上がりは全く異なり、出来上がった作品でも技術的に高いものは、高額な価格で取引きされています。日本国内では数は少ないものの、オーダーメイドの編み物を扱う専門店では、その職人としてかぎ針編みの職人が製品を手作りしています。かぎ針編み講師は、そうした高度なかぎ針編みの技術を教える立場となるため、編み物職人の育成、編み物の趣味の普及などに貢献することが出来ます。独学ではなかなか上達しない技術のため、よりクオリティの高い作品を作りたい人には、この講師の人気は高いです。
かぎ針編み講師の仕事について
編み物の中では、文様を織り込んだり、カーディガンやベスト、プルオーバーなど、服飾ではデザイン性に優れたものを製作出来る、かぎ針編みの技術を学ぶことで認定を受けることが出来ます。帽子などの小物類、バッグ、あみぐるみ、チョッキ、カーディガン、テーブルクロス、ドイリーなどを編むことができるため、高度な技術を有した場合は、製品として市販出来るレベルの、大変需要の高い編み物を自ら作り上げる事ができます。それだけに、編み方の工程が大変難しく、かぎ針編み講師は編み物講師の中でも、高度な技術を有している証にもなります。講師を認定している協会や団体で、かぎ針編み講師として活動する他に、他の編み物技術を習得すれば、編み物教室を運営していくことも可能となります。特に技術的に習得が難しい編み方だけに、応用力が身につけられる、本格的な編み物教室を運営することが可能となるでしょう。
毛糸編物技能検定試験
クラフトワークの世界では、唯一公式な認定試験が昔から多くあるのが、この毛糸編物技能検定試験です。技能検定は一般的に、1級から5級まであり、例えば、2級合格者の場合は、専門的な技能と知識を有して、指導者補佐が出来る認定試験となっています。
試験は筆記では編み上げ作品の仕上げ、素材についての知識、用具や用語、デザインについての試験が行われます。実技では、被服のパターンの製図、かぎ針編みの実技や、棒針編みの実技が行われます。試験問題は過去問題が市販されているので、誰でもチャレンジすることが可能です。
毛糸編物技能検定試験資格取得のメリット
民間資格とはいいながらも、毛糸編物技能検定試験は、公益法人日本編物検定協会の場合は、発足が文科省の1961年の懇談会が発足のきっかけだったので、公的な資格の度合いが高く、JIS記号・用具の名前・被服の名称・色彩の基礎知識を必要としますので、非常に高度な知識を必要とします。それだけに、編み物の講師として活動する場合は、非常に有利な条件となるメリットがあるでしょう。
毛糸編物技能検定試験の仕事について
毛糸・レース編みの技能・知識と指導能力を認定する検定試験となるため、スクール講師や編物教室を独立開業などのプロフェッショナルな活動に役立てることが可能です。2級で指導者補佐ができる実力、1級で指導する実力があることが認められることになり、1級であれば、社会的に認められた編み物の専門家として活動することも可能です。「毛糸編物技能審査基準」にしたがって行われる文部科学省後援の技能検定試験ですので、公的な資格を得ることが出来、履歴書にも堂々と記載することが出来ます。
棒針編み講師認定
棒針編みは、編み物の中では古くから家庭で行われてきた、やや目の荒い編み物を制作する際に都合の良い手軽な編み物技術の一つです。編み棒と呼ばれる直径2ミリから、30ミリなどの編み棒の太さがあり、長さは標準で約30センチの先の尖った道具を使い、2本使うことになります。セーターやマフラーを作るのに適しており、広く平面的な編み物を作成するのに便利です。
編み目は横方向を「目」と、縦方向を「段」と数え、この網目の粗さが、編み棒の太さと密接に関係することになります。右棒に裏から糸をかけ表に引き抜く「表編み」と、表から糸をかけ裏に引き抜く「裏編み」の2種が一般的で、他に「一目ゴム編み」、「模様編み」などがあります。指に毛糸をかけるやり方も、アメリカ式、フランス式と種類があり、こうした様々な技術や知識を棒針編み講師は取得している必要があります。
棒針編み講師認定は、こうした棒針編みの多種多様な技術を駆使し、その専門的な技術を人に教えるスキルを有してます。棒針編み講師認定で技術や知識を認められれば、個人指導から、グループ指導などで、様々な場面で教えることが出来ます。
棒針編み講師認定資格取得のメリット
通信教育、講座などを受講して所得できる資格が、棒針編み講師認定です。棒針を用いる、手編みの代表的な編み方を学ぶことで、セーターやマフラーなどの毛糸を使った衣類を作る技術が習得できます。通信講座なので期間内に決められた順に作品を送り、添削してもらうという講座内容になっているため、自宅でゆっくり学ぶことが可能なのがメリットです。入門科では基礎的な編み方・編み地を学び、用意されているパターンで作品を編むなど、段階的にカリキュラムはレベルを上げて行くことが出来ます。棒針編みに必要なものが、最初からセットで入手出来る点も魅力でしょう。
棒針編み講師認定の仕事について
編み物全般の教育活動を通じて、認定は日本手芸普及協会が行う形をとっています。したがって、毛糸編物技能検定試験同様、講師として独自の活動をすることも可能です。棒針編みは、広く平たい面を作成するのに向いた編み方のため、応用の幅が広いのが特徴です。基礎から系統的にステップアップしながら、楽しく学び、講師の認定を受けることが出来ます。
編み物資格の学校について
資格によっては通信教育も各団体・協会で運営しています。昔から人気のある分野ですので、学び方はそれぞれ、自分の都合に合わせて選ぶのが良いでしょう。
編み物資格の試験難易度
棒編み講師認定講座などでは、カリキュラムに製図を元に作品を編むなどの課題があるため、技術的に初心者からでは難しいことがあります。自分で一から製図をして、編むのに必要な割出しや編み図を製作することもあるため、認定試験自体はかなり技術を徹底的に習得していないと、合格は難しいと言えます。
編み物資格の給料・年収
カルチャースクールの講師の他に、高度で精度の高い編み物を製作する技術があれば、職人として生産受注する立場となることも可能です。経験年数がものを言う世界なので、技術力を高める必要はありますが、アパレルの中でも、セレクトショップなどでは、数点物のニットも高価な価格で販売されているため、努力次第で高い収入を得ることも可能でしょう。
編み物資格取得後は
資格や認定を受けた後には、講師の道を選ぶ方が多いのですが、トレンドを抑えつつ、より技術を磨いて独創的なアイデアがあれば、ニットのオリジナルブランドを立ち上げることも可能となります。実際に輸入毛糸を独自に入手し、完全注文受注生産のニット専門店なども日本には存在しているので、出来ればそうしたニットを生産、販売する立場となって活躍する方が、収入面でも有利でしょう。