日本で栽培されている野菜は150種類以上あり、それらの栄養や調理法を理解して使っている人はごくわずかです。
野菜の栽培や調理は誰にでもできますが、資格の取得によって得られるメリットは日常生活や仕事への活用など多くあります。
ここでは野菜に関する資格取得の必要性や学習方法、活用できる職業とおすすめの通信講座をまとめました。
テレビの料理番組や野菜特集で知れる情報は、ごく一部の野菜に限られます。
野菜の知識とは、栽培に関わる土づくりや旬な野菜の産地の他にも、栄養素や美味しい素材の組み合わせなど総合したものです。
膨大な知識の保有を証明してくれるのが、野菜の資格です。
野菜は毎日の食事に欠かせず誰でも扱えるからこそ資格取得のハードルは低く、主婦や忙しい会社員でも取りやすくなっています。
野菜の栽培や調理に資格は必要なさそうですが、栽培や調理の知識を証明できる資格があるほうが知識に対する信用度は高くなります。
野菜に関する学習方法としては農業系の学校に通う、市販本を読む、通信講座を利用する方法があります。
社会人向けの通信教育を用意している農業系の学校もあり、1年から2年かけて栽培技術や経営について学びます。
学校への通学は同じ目標を持つ仲間と共に授業を受けて励ましあえるメリットがある一方で、学習時間が長く費用も200万から300万ほどかかる点はデメリットとも言えます。
野菜に関する市販本の利用で、気軽に学習もできるうえ費用も最小限で済むでしょう。
しかし、学習内容ごとに本を購入する必要があり、知りたい情報が載っているかは購入するまでわからない点はデメリットで、長期的に見ると費用も割高です。
効率よく学習できるのは通信講座で、資格試験に直結した講座の選択で野菜に関する知識が深まると同時に、知識の理解度も客観的に示せます。
通信講座は決まった期間内で知識の習得が可能なカリキュラムになっており、仕事や子育てで学校に通う時間がない人におすすめです。
野菜のエキスパートとして仕事をする場合、職業によって仕事内容や勤務場所は大きく変わってきます。
ここでは野菜に関わる主な職業について、大まかな仕事内容の一例をご紹介します。
農家は野菜のエキスパートとして誰しも思い浮かべる職業で、農林水産省でも就農支援や各種研修を積極的に行っています。
仕事は農地を耕し、種まきから収穫・出荷までと思いがちですが、販売先を増やす営業活動や農機具の手入れなども行います。
農家の平均収入は450万ほどで、栽培する野菜の種類や畑の広さ、経営の仕方によって高収入が期待できます。
需要が大きい野菜や品質が良い野菜の供給により、安定した年収を得られるでしょう。
講師の仕事内容は当日の運営以外にも、レシピの考案・試作や材料の仕入れ、配布する材料表の作成などやる事は多岐に渡ります。
料理の見た目や味は勿論のこと、調理のポイントを生徒に分かりやすく伝え、指導するスキルも必要になります。
料理教室やカルチャースクールの募集に応募して講師になる場合、社員採用であれば年収は300万前後、業務委託であれば1レッスンあたり5,000円から10,000円が目安です。
自宅で料理教室を行う場合は募集する生徒数や開催頻度によって収入は変わりますが、お小遣い程度からサラリーマンの月収程度まで、希望する収入額を自分で決めて活動できます。
健康志向の高まりで、野菜をふんだんに使ったランチプレートを提供するカフェは、女性に人気です。
集客するための宣伝や店舗内外の清掃、定期的な新レシピ考案だけではなく、店内の雰囲気を明るくし店に入りやすい空間を作るのも経営者の仕事です。
SNSに映える自家製野菜を使ったオリジナルメニューやデザート、ドリンクの提供も集客には有効です。
カフェや飲食店の経営で得られる年収は200万から500万ほどです。
経営初期は赤字が続く可能性があり決して儲かる仕事ではありませんが、自分が作った料理を提供したいと考える人には憧れの職業でしょう。
青果コーナーの店員は、商品陳列や値札付け、バックヤードでの商品加工が主な仕事です。
珍しい野菜を仕入れている店舗では、調理方法や賞味期限を聞いてくるお客さんが多くなります。
野菜のエキスパートとして野菜に含まれている栄養素を説明したり、食べ方やレシピを提案したりして、お客さんと直接関わる分やりがいを感じられるでしょう。
正社員の場合は勤務するスーパーや百貨店によって給料は異なりますが、パートやアルバイトであれば時給は地域の最低賃金から1,100円前後となっています。
野菜のエキスパートとしてのやりがいは、野菜を通じて食の大切さや健康への関心を高め、社会に貢献できる点にあります。
ベランダ菜園が身近になりマンションでも簡単に野菜を育てられますが、美味しい野菜を育てるには植える時期から土づくり、気候条件などの理解が大事です。
野菜に関する勉強をしたエキスパートであれば、どのような条件下で美味しい野菜が育つのかを知っているため、スーパーで販売されているものと比較しても遜色ない野菜を育てられます。
近所の人や栽培仲間との知識の共有によって野菜を作る楽しさを分かち合い、より良い人間関係を築けます。
人に教える活動を職業とした場合、より多くの人に野菜の大切さを伝えながら食育に携われ、間接的でも農家と家庭を繋ぐ形で社会貢献も可能です。
活動を通して感謝される回数が増えれば「やってよかった」と実感でき、野菜の知識をアップデートしたり新たな活動を展開したりと、更なるやりがいを得られるでしょう。
野菜に関する資格は複数あり、気軽に取得できるものから実用的なものまでさまざまです。
その中から、日常でも仕事でも活用できる代表的な資格を3つご紹介します。
野菜ソムリエは日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格です。
野菜と果物に関する幅広い知識が身に付き、初心者が気軽に学べるコースからプロを目指す方のコースまであります。
日本野菜ソムリエ協会では食に関する資格を多数扱っています。
野菜栽培士とは日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する民間資格で、野菜に関するさまざまな知識の所持が証明されます。
季節ごとの野菜の育て方や栄養素など、野菜栽培から食材に関する知識まで幅広く身に付く資格です。
JIAはインストラクターやアドバイザーなど、人に教える知識やスキルが得られる資格を多数扱っています。
オーガニック野菜アドバイザーは日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する民間資格です。
農薬をほとんど使わない有機野菜の産地や栄養素、オーガニック野菜の保存方法、レシピなどの知識を証明します。
JSFCAでは食文化を有効活用できる人材育成を目的とした、食に関するさまざまな資格を扱っています。
野菜に関する知識はインターネットや本で簡単に手に入りますが、知識を証明し仕事で活かしたいのであれば、資格取得が有効です。
農業にチャレンジしたい人や独立・開業を考える人、食品業界で働きたい人にとって次の2つの資格は、野菜の知識を証明し就職や活動の後押しになるでしょう。
兼業農家や家庭菜園など野菜栽培に関わるエキスパートを目指すのであれば、野菜栽培士の資格がおすすめです。
野菜栽培士の資格は、季節に応じた野菜の育て方や栄養素、きのこや豆類など野菜に合う食材の組み合わせの知識が身に付きます。
受験には特別なスキルや経験は必要なく、誰でも申し込み可能な資格試験になっています。
以下は野菜栽培士の試験概要と申し込み方法です。
受験料 | 10,000円(税込み) |
受験方法 | 自宅で受験し、期間内に解答用紙を返送 |
合格基準 | 評価が70%以上であること |
申込方法 | インターネットから申し込み |
協会のホームページから申し込み後、送られてくる試験問題を返送し、70%以上の評価を得られたら合格です。
野菜栽培士の試験実施月、申し込みから合格発表までのスケジュールは以下の通りです。
資格検定試験 | 年6回開催(2,4,6,8,10,12月) |
申込期間 | 開催月の前月1日から月末まで例)4月に受験する場合、3月1日から31日に申し込みが必要 |
試験期間 | 開催月の20日から25日(6日間) |
答案提出期限 | 開催月の30日必着(2月は28日必着) |
合格発表 | 開催月の翌々月10日例)4月に受験した場合、6月10日に発表 |
試験は2ヵ月に1回行われており、奇数月が申込期間、偶数月の月末が試験期間です。
予め受験月を決めておくと、学習開始から受験までの期間を空けることなく、効率よく学習できます。
申し込みをしても答案用紙が提出期限までに届かないと受験は無効になるため、問題を解き終わったら忘れずに投函しましょう。
野菜の中でも農薬を使わない有機野菜のエキスパートを目指すのであれば、オーガニック野菜アドバイザーの資格がおすすめです。
季節ごとの野菜の産地や栄養素といったベーシックな知識だけではなく、保存方法やオーガニック野菜を使ったレシピなど毎日の食生活に役立つ知識が身に付きます。
料理教室やカルチャースクール、カフェや飲食店でオーガニック野菜を使ったメニュー考案など、働く場所の可能性も広がります。
オーガニック野菜アドバイザーの資格試験は誰でも受験可能で、特別なスキルや経験は不要です。
以下は資格試験の概要と申し込み方法です。
受験料 | 10,000円(税込み) |
受験方法 | 自宅で受験 |
合格基準 | 70%以上の評価を得て合格 |
申込方法 | インターネットから申し込み |
協会のホームページから受験を申し込みした後、送られてくる試験問題を期限内に返送し、70%以上の評価が得られたら合格です。
オーガニック野菜アドバイザーの試験頻度や、申し込みから合格発表までのスケジュールは以下の通りです。
資格検定試験 | 年6回開催(2,4,6,8,10,12月) |
申込期間 | 開催月の前月1日から月末まで例)4月に受験する場合、3月1日から31日に申し込みが必要 |
試験期間 | 開催付の20日から25日(6日間) |
答案提出期限 | 開催月の30日必着(2月は28日必着) |
合格発表 | 開催月の翌月10日 |
試験は2ヵ月に1回行われており、申込期間は奇数月、試験期間は偶数月の月末です。
受験する月を決めてから学習を始め、受験希望月の前月までの申し込みにより、学習から試験実施まで期間を空けずに取り組めるでしょう。
野菜栽培士とオーガニック野菜アドバイザーは単体で勉強するより、2つの資格を同時に勉強し取得できる資格講座がおすすめです。
どちらか片方の資格だけでも野菜に関する知識を得られますが、両方取得すれば野菜のエキスパートとして幅広い知識が証明され、資格取得後は活用の場も広がります。
協会認定の資格講座であれば、両方の試験範囲をカバーできる教材を利用し、比較的短期間で2つの資格取得が可能です。
資格試験が受験免除となる特典が受けられるのも、認定講座のメリットと言えます。
諒設計アーキテクトラーニングの「オーガニック野菜アドバイザーW資格取得講座」は協会認定の資格講座で、基本講座とスペシャル講座があります。
基本講座の概要は以下の通りです。
対象となる資格 | オーガニック野菜アドバイザー 野菜栽培士 |
受講料 | 59,800円 分割支払:3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヵ月(最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回 |
基本講座の受講料にはプロが監修したテキストの他、添削課題や練習問題、模擬試験が含まれています。
受講期間中は何度でも専任スタッフに質問が可能になっているなど、学習におけるサポート体制も整っています。
講座修了後は協会のホームページから受験申し込みをし、合格により資格取得です。
スペシャル講座の概要は以下の通りで、基本講座に含まれるテキスト等の他に卒業課題が含まれます。
対象となる資格 | オーガニック野菜アドバイザー 野菜栽培士 |
受講料 | 79,800円 分割支払:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヵ月(最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回+卒業課題(1回) |
スペシャル講座は卒業課題の提出で資格試験の受験免除となる特典があり、講座修了時に2つの資格を取得できます。
分割支払にも対応しているため、一括払いが難しくて諦めている方でも安心して講座受講が可能です。
SARAスクールジャパンの「オーガニック野菜資格取得講座」も協会認定の資格講座で、野菜基本コースと野菜プラチナコースがあります。
野菜基本コースの概要は以下の通りです。
対象となる資格 | オーガニック野菜アドバイザー 野菜栽培士 |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヵ月(最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回 |
SARAスクールジャパンのテキストはプロが監修しており、初心者でも学習しやすいように初級・中級・上級に分かれています。
1日30分の学習を6ヵ月続ければ野菜に関する知識が十分身に付き、忙しい方でも試験合格が可能です。
受講期間中は専属スタッフがつき、いつでも不明点を聞ける充実したサポート体制があります。
野菜プラチナコースの概要は以下の通りで、野菜基本コースに卒業課題が含まれます。
対象となる資格 | オーガニック野菜アドバイザー 野菜栽培士 |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヵ月(最短2ヵ月) |
添削回数 | 5回+卒業課題(1回) |
野菜プラチナコースは協会認定特典である受験免除の対象コースで、基本コース修了後に卒業課題を提出することで、2つの資格を確実に取得できます。
受講料は基本講座を受けて両資格を受験した時と同じ金額であり、確実に資格を取得したい方はスペシャル講座を申し込むのが良いでしょう。
短期集中で勉強すれば最短2ヵ月で資格取得が可能で、野菜のエキスパートとして早く活動したい方にはおすすめのコースです。
野菜の資格は日々の食生活を豊かにするだけでなく、農業に従事したりカフェや飲食店を経営したりと独立・開業も目指せます。
まずは家庭菜園で美味しい野菜を作ったり、家族に喜んでもらえるレシピを考えたり、身近なところから野菜について詳しく学んでみましょう。
理解を深める手段として資格取得も視野に入れると、新たなやりがいが見つかるかもしれません。
一般野菜とオーガニック野菜では栽培方法も味も違うため、2つの資格を取得できる通信講座を利用すれば幅広い知識が証明され、新たな職業への挑戦も可能になります。
野菜が好きな人はもちろん、料理が好きな人や何か新しいことに挑戦したい人も、野菜のエキスパートを目指してみましょう。