資格取得は、自身の知識の幅を広げてキャリアアップに活用できるだけでなく、新しい趣味を獲得して豊かな人生を送るのにも役立ちます。
日本の伝統文化である華道は、近年海外からの注目も高まっており、資格を利用した活躍の場が広がっています。
華道の資格には、仕事で活かせるだけでなく、資格取得過程で精神面が鍛えられ内面が磨かれるといった効果もあります。
お花に触れ、美しさや季節の移り変わりを感じると、気分のリラックスにも繋がるでしょう。
華道について、資格の魅力や資格取得後に活かせる職業の紹介、資格取得に向けたおすすめの通信講座などを以下にまとめました。
華道とは、季節の草花や樹木を活けて鑑賞する「活け花」と呼ばれる日本の伝統文化に、礼儀作法や精神修養を重んじる考えを含んだものです。
華道では単に花を美しく飾るだけではなく、礼儀や流派を重んじ、花を生ける人の精神を高めて内面を磨き花の命の尊さを学ぶ姿勢も大切です。
また、花を飾る空間とのバランスも重視されるため、ときには隙間を作る引き算の美学の表現を求められます。
このような知識を習得し、人々に華道の魅力を教えたり、お花に携わる仕事に就いたりする際に役立つのが華道資格です。
華道の資格は、大きく2つの種類に分けられます。
一つ目が民間の団体が主催と認定を行う民間資格で、二つ目が華道の流派に入門し習熟度に応じて得られる免状とよばれる資格です。
資格を取得すると華道に関する知識や技術を保有している証明になるので、履歴書に記載して、華道に関する職業に就く場合に活かせます。
華道の知識は、流派に入門し稽古を通じて習得する方法と通信講座などを用いて習得する方法があります。
流派に入門する方法は、最低でも5年以上の修行や教室参加が求められるため、多くの時間と努力を要する難易度の高いものです。
また資格取得に年齢制限が設けられているものもあり、免状取得に別途費用がかかるなど、費用面や時間面を考慮すると普段の生活との両立が難しいと考えられます。
一方、通信講座を活用する方法では、華道の基礎の習得を軸に、自宅での隙間時間を利用して学習するため、教室に通う手間も省けて費用を抑えながら資格取得が可能です。
家の近くにお花の教室がない人や費用を抑えながらも資格を取得したい人、隙間時間を活用して知識を習得したい人には通信講座の利用をおすすめします。
華道家とは基本的に花を生けるのが仕事ですが、実際の働き方は様々で、仕事内容によって勤務場所や年収は異なります。
ここではその仕事内容や年収についてまとめて紹介します。
近年は、たしなみとして華道を習得したい人や日本の伝統文化に興味を持つ外国人も増えているため、講師の需要が高まっています。
自宅での開業かカルチャースクールでの指導が一般的で、華道に関する知識だけでなく指導力や魅力的なレッスンをおこなう力も求められます。
生徒数や実施する授業の数によって収入が変わりますが、平均年収は250~350万円程度といわれており、基本的に収入は安定しにくいです。
資格を活かして一般企業に就職し、装飾などのお花に携わる仕事を担当する方法もあります。
花を用いた空間演出は、ブライダル業界やホテルなど様々な企業で求められる場面が多く、
高い技術を保有しているとより重宝されるに違いありません。
もちろん一般企業への就職は、華道以外の仕事と兼務になる可能性もありますが、収入が安定しやすいというメリットがあります。
企業の規模や雇用形態によってまちまちではあるものの、平均年収は300~500万円となります。
資格取得後に流派に入門して修行を積み、師範資格を取得すると、より活躍の場が広がり専門性が深まるでしょう。
個人の知識や技術にもよりますが、師範資格取得までは最低でも5年かかるといわれているため、実力と忍耐力が必要です。
師範になってからも、経験を積みセンスを磨き、継続力や探求心を忘れず精進し続ける必要があります。
年収は人によりけりではあるものの、一般的には250-350万円で、有名な華道家になれば年収1億円も夢ではありません。
華道家として働くうえでやりがいを感じる場面は大きく2つに分けられます。
一つ目は、自身が指導した生徒の技術が上達して、活け花に興味を持つ人が増えたときです。
生徒の成長を感じられるのは、講師として働くうえで最もやりがいを感じる場面であるといえるでしょう。
二つ目は、自身の作品が評価され、クライアントから感謝の言葉を貰ったときです。
作品に関する良い評価が広まると、仕事の継続依頼だけでなく拡大に繋がる可能性もあるので、華道家として活躍するうえでやりがいと喜びを感じられるでしょう。
一方、仕事を続けるうえで意識しておくべき点もいくつかあります。
講師として働くためには花を活ける技術だけでなく、生徒に合わせて指導する力や生徒が魅力を感じる教室づくりなども求められます。
常に世界の流行や傾向などの情報収集に努め、時代に合った形で変化させる必要があるでしょう。
併せて、華道は生け花ともフラワーアレンジメントとも異なるものであるという認識を持たなければなりません。
活け花は、芸術力を高め自身の感性を活かして自由に花を活けて楽しむものです。
フラワーアレンジメントは、見た目の華やかさに重きを置いており、ボリュームが足りなければ花材を足す足し算の美学ともいわれています。
一方で華道は単に美しく花を飾るのではなく、礼儀や流派の型に重きを置き、花を活ける人の内面を意識するものです。
無理に花材を足すのではなく、ときにはあえて隙間を作り空間を楽しむ引き算の美学とも表現されます。
華道家として活躍するためには、これらの違いをしっかりと理解し、決して混同してはいけません。
華道の資格にはたくさんの候補がありますが、その中でも代表的な資格を4つ紹介します。
花の活け方インストラクターは、日本インストラクター技術協会(JIA)が発行している資格です。
日本インストラクター技術協会発行の資格を保有する人は、指導を中心とした技術やスキルの水準がある一定以上であると証明されます。
華道アドバイザー®は、日本生活環境支援協会(JLESA)が発行している資格です。
日本生活環境支援協会発行の資格を保有する人は、生活に関する技術の各スキルが一定以上あると証明されます。
フラワーデザイナーは、公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)が発行している資格です。
この資格を保有していると、生活において様々な花の造形を生みだす力があるという証明になります。
フラワー装飾技能士は、中央職業能力開発協会が実施している国家資格です。
花の装飾に関する知識と技術を保有する証明になり、受験には実務経験が必要で、試験においても実技が求められます。
華道家として働く際に資格保有は必須ではありませんが、所属流派や保有資格や経験がないと教室を開いても生徒が集まりにくいため、資格取得は有効であると考えられます。
華道家になるための基盤となる資格はいくつかありますが、その中でも活用できる資格を2つ紹介します。
花の活け方インストラクターは、華道の基礎知識や道具の使い方、活け花の構成などが習得できる資格です。
開業や講師資格としても有効であるため、自宅やカルチャースクールでの講師活動を考える人にはおすすめの資格といえるでしょう。
以下は日本インストラクター技術協会が行う花の活け方インストラクター資格試験の内容です。
受験料 | 10,000円(税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催(2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌々月の10日 |
偶数月ごとに年6回試験が開催されるので、受験スケジュールが立てやすいのが特徴です。
試験期間中に解答し、郵送で提出する必要があるので、期日には余裕を持って対応しましょう。
華道アドバイザー®は、華道の基礎知識に加えて、歴史や流派による花の生け方の様式などの知識が習得できます。
資格取得後は履歴書に記載ができるほか、就職でも有利になるため、一般企業で空間デザイナーをしたい人にはおすすめの資格です。
以下は協会が行う華道アドバイザー®資格試験の内容です。
受験料 | 10,000円(税込み) |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上 |
申込方法 | 協会の公式サイトの資格ページから |
また、試験日程は以下のようになっています。
資格検定試験 | 2ヶ月に1回開催(2,4,6,8,10,12の1年に6回) |
申込期間 | 該当月の1ヶ月前の初日から末日まで 例:2月の試験の申し込みの場合は、1月1日から末日まで |
試験期間 | 該当月の20日から25日の6日間 |
答案提出期限 | 該当月の30日必着(2月のみ28日) |
合格発表 | 翌々月の10日 |
資格試験の概要は、花の活け方インストラクター資格と同様で、こちらも合格発表まで少し期間があるのが特徴です。
受験資格もなく、インターネットからの申し込みが可能で、在宅受験できる気軽さを活かして資格を取得しましょう。
花の活け方インストラクターと華道アドバイザー®資格を取得する際に活用できる通信講座には、「諒設計アーキテクトラーニング」と「SARAスクールジャパン」があります。
どちらも協会認定の通信講座で、独学よりも効率の良い学習や専門のテキストを用いた試験対策ができる点が魅力となっています。
自身の状況と照らし合わせて、通信講座の利用を検討する場合には、いずれかの利用がおすすめです。
諒設計アーキテクトラーニングの通信講座は「華道アドバイザー®W資格取得講座」という名称で、こちらの受講により華道アドバイザー®と花の活け方インストラクター両方の資格試験対策ができます。
基本講座とスペシャル講座の2コースが用意されており、以下が基本講座の内容となっています。
対象となる資格 | 華道アドバイザー® 花の活け方インストラクター |
受講料 | 59,800円 分割:3,300円×20回(初回4,276円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
教材は協会認定で、教材内容や学習サポートはスペシャル講座と同じです。
初心者にもわかりやすい教材内容で、隙間時間を活用して効率よく学習できる点は独学では手に入らない魅力といえます。
一方、スペシャル講座の内容は以下の通りです。
対象となる資格 | 華道アドバイザー® 花の活け方インストラクター |
受講料 | 79,800円 分割:3,800円×24回(初回3,891円) |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
基本講座と比較すると受講料が2万円アップしますが、試験免除となる卒業課題が1回分付いています。
スペシャル講座を受講して卒業課題を提出すると、花の活け方インストラクターと華道アドバイザー®の2つの資格が取得できます。
普段の生活の隙間時間を活用して、2つの資格が確実に取得できる点を考慮すると、スペシャル講座を利用する価値があるといえるのではないでしょうか。
また諒設計アーキテクトラーニングのスペシャル講座は分割払いができるため、スペシャル講座を利用したいけれど一括払いでは負担が大きいという場合には、ぜひ有効活用してください。
SARAスクールジャパンの通信講座は「華道資格取得講座」という名称で、こちらも花の活け方インストラクターと華道アドバイザー®2つの資格の試験対策ができるカリキュラムです。
講座の種類は、基本コースとプラチナコースの2コースで、以下が基本コースの内容となっています。
対象となる資格 | 華道アドバイザー® 花の活け方インストラクター |
受講料 | 59,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回 |
こちらの基本コースも、卒業課題が付いていない点以外はプラチナコースと同じ内容となっています。
資格試験は別途自分で申し込んで受験する必要がありますが、初期費用を抑えながら独学よりも効率的に学習できる点が魅力となっています。
一方、プラチナコースの内容は以下の通りです。
対象となる資格 | 華道アドバイザー® 花の活け方インストラクター |
受講料 | 79,800円 |
受講期間 | 6ヶ月(1日30分の勉強想定) 最短2ヶ月 |
添削回数 | 5回+卒業課題1回(資格試験免除) |
基本コースと比較して受講料が2万円アップする代わりに、試験免除の卒業課題が付いています。
プラチナコースを受講し、課題を提出のうえ卒業すると、花の活け方インストラクター資格と華道アドバイザー®資格の2つが認定されます。
初心者にもわかりやすい講座設計になっているので、自分のペースで無理なく確実に資格を取得したい人には、利用する価値があるといえるでしょう。
華道資格の取得は、講師として活躍する場合に限らず、一般企業でお花に関する仕事に就く場合でも役に立ちます。
自身が教えた生徒の成長を実感する局面や自身の作品が評価される場面では、このうえないやりがいを感じるでしょう。
お花には触れた人々に四季の移ろいを感じさせ、心と体をリラックスさせる効果があります。
資格取得により習得した知識を用いて、趣味として生活の中にお花を取り入れるのもいいかもしれませんね。
日本の伝統文化として海外からの注目も高まる中で、華道を習得したいと考える人は多いのではないでしょうか。
華道に興味を持った人は、ぜひ上記記載の協会や通信講座のサイトを確認して、資格取得に向かって一歩踏み出しましょう。